先生
「理恵ちゃん待って!!」


振り返ると智さんが走ってきた。


「どうかしたんですか?」


「送ってく。
てか、送らせて?」

「え、でもまだ…」

「いいの、いいの。さ、行こう?」


私とは反対に、楽しそうに歩く。


「理恵ちゃんホントに彼氏いないの?」

「フラれちゃいました…。」


何語ってんだ私。


「そっか…辛い事聞いてごめんな。」


「いえ…大丈夫です。」


「理恵ちゃん、理奈に無理矢理連れて来られたんじゃね?
出会い探しに来たふうに見えなかったからさ。」


「無理矢理なんかじゃ…。」


「フハハハ…正直だね、理恵ちゃんて。」


また無邪気に笑う。

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