先生
逢う約束をしてしまった。


誰もいないこの家で、先生の感触が残る体のまま一人でなんかいたくない。


唇に触れてみると、あの時した悲しいキスが甦る。


10分位して玄関のドアを開けると、シルバーの軽が止まってて、運転席から降りて来る人…智君。


「乗って?」


助手席のドアを開けて乗り込む。


ほのかにミントが香ってきた。


「何か有ったの?」

ギアを入れて、ゆっくり車が走り出す。


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