先生
先生のワイシャツから煙草の匂いがする。

ずっと帰りたかったんだ…この胸の中に。


「泣き止んだか?」

私の頭を撫でていた手が止まる。


顔を上げると優しく微笑む先生がいた。

「ごめんな?
いっぱい泣かせて。」


「ううん。
嬉し泣きだから
いーの。

私ね、人前で手が繋ぎたくて、堂々とデートがしたくて付き合うんじゃないんだよ?

好きだから。

傍にいたいから付き合うんだよ?

そんなん出来なくてもいい。

先生の傍にいたい。
声が聞きたい。

先生に…触れていたい。」


先生の頬に、軽くキスをした。



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