先生

彼女の後ろを着いて行くと、屋上に繋がる階段に来た。


「私、工藤 彗（ｸﾄﾞｳ ｽｲ）って言います。

回りくどいの嫌いなんで、単刀直入に言います。

先輩、村上先生とはどんな関係なんですか？」



えっ…。



「私、見ちゃったんですよね。

夏休み、〇町のツタヤの駐車場で、村上先生の車に乗り込む先輩を。
私、あの近くに有る塾に通ってるんですよね。
帰りに見ちゃったんです。」

どうしよう…


見られちゃった。


「あの近くでバイトしてて、たまたま先生に逢ったから、送ってくれただけで…。」


「ふぅん。
たまたま逢ったら
送ってくれるんだぁ……。」


何？


その何かを見透かす様な目…。