先生
「ごめんな、遅くなって。
送って行くよ。」


「でも先生、仕事残ってるんじゃないの?」


「まだ山になってるけど、一時中断。」

だよね…。


三年の担任が、こんな時間に帰れる訳ないもんね。


「ほれ。行くぞ。」

私のスクバを抱えてやんわり笑う。


先生…その笑顔、反則だよぉ。


隣に並ぶ先生のスーツを摘んで歩く。


誰もいなくなって、ガランとした廊下を私と先生が歩く。


そんな私達を、オレンジ色の夕日が、優しく照らしてくれた。



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