先生
「違う…先生が…グスッ…優しいから…。」


「泣かしたの俺!?」


素っ頓狂な声を出した。


「これ…ね?
私が小さい時、泣かないお守りって、おばあちゃんが、作ってくれたの…。」


「そっか。
素敵なおばあちゃんなんだな。
そのクマ、愛がいっぱいなんだな。」


コクン…小さく頷いた。


「あれ?飯塚、家の人は?」


「母親は…仕事だから。」


「仕事?
てか、飯塚一人?」

「そうですよ。」


「いつもそうなのか?飯塚一人で。」


「はい。母親は、夜の仕事なもんで。」


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