隣の王子様
その後は、散々だった。

王子様と間違えただとか、
顔を真っ赤にして
馬鹿面してただとか、
いまだに理解できてないようで
本当の馬鹿だとか・・・

お兄ちゃんの言いたい放題にされた。



王子様はというと、
その一部始終を聞いて
くすくすと嫌味ではない笑顔で
「ごめんね、うたちゃん。
 驚かせてしまったね。」
と、頭を撫でてくれた。

話を聞けば、お兄ちゃんと同じ年の
16歳で同じ高校に通う予定らしく
意気投合した二人は、いつしか
名前で呼び合うようになっていた。

王子様は、両親が海外に
仕事で行ってしまったので
学校に近いこのマンションに
一人で越してきたらしい。

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