隣の王子様
あの時。
猪のように家を飛び出した
私は、今、ちょうど我が家のチャイムを
押そうとしていた“その人物”に
衝突した。

猪の如く飛び出したのである。
その衝撃といったら・・・
・・・ものすごく痛かった。
痛かったのだけれど、
そんなことよりも。


「大丈夫?」


と腰を曲げて、私の真っ赤になった顔を
心配そうに覗き込むその顔に
さらに顔は真っ赤に染まった。

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