散らないサクラ
てめえらと一緒に歩いて行くのも悪くはねえ。
でも、俺は一人で歩いていく術をこれから見つけていきてぇと思った。
この気持ちには嘘偽りは何もねえから、だから。
「総長!」
「秋さん……、寂しいっす」
「また遊びに来てくれますよね? 総長!」
「今度総長が使ってた技教えてください。俺、秋さんの戦い方憧れだったんです」
一瞬の静寂の後、一斉に口を開いたコスモスの輩たち。
でけえガレージに集めたから皆口々に言いだすと誰が何を言ってるのか分かりもしねえ。
だけど……、俺の心臓は一個一個の言葉を拾い集め、あったけえ気持ちになってる。
去る事になってようやく気付く、コスモスの存在。
なあ、歩。
てめえは俺に助けられてばっかだって言ってたけど、もしかしたら俺のほうがお前らに助けられてたのかもしんねえ。
何かしても帰る場所がある。
赤から逃れようとしてはコイツ等と暴れて。
俺は、コスモスに助けられていたのかもしれねえ。
ああ、痛え。
今更気づくなんて、俺もただの阿呆だ。
――――心臓が熱い。