散らないサクラ
欲しいと思ったのは、誰かを守れるだけの強さ。
佐倉みてぇに凛と立つ、桜みたいな思い。
俺が此処にいたと言う証。
「だから、ここの名前を俺にくれ」
「秋……」
「歩、てめえがトップになって新しいものを作ってけよ」
「…………」
「てめえのケツについてく奴らなんて此処にいる全員だろ」
抜けるなんて、簡単に出来るわけじゃねえことぐらい俺もお前も分かってる。
それほどに俺の決断も歩がそれを許してくれた事も、同じくらいでけえ事だって分かってる。
だけど、歩。
今までもお前が後ろにいるから俺は背中を預けて喧嘩できた。
そしてこれからも、てめえがここにいる奴らを率いてくれると思うから、俺は此処を抜ける。
…………俺はてめえを信頼してる。
歩、お前だからできる、そう俺は信じてんだ。
柄にもなく、お前を信じたい。
だから、んな顔してんな。
新しいトップがしけた面してたらついてくるもんもついて来ねえよ。
俺はニッと笑い皆の方に向き直って、口を開く。
「――――今日を持ってコスモスは解散する」
またな、みんな。