散らないサクラ
Cherryblossoms...12
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「で、段取りだけど」
「おい、ちょっと待て。……お前が此処にいるのが気に食わねえ胸糞悪い吐き気がする」
「むう、獅子ってば酷い。わざわざ俺が出向いて打ち合わせに来てるのに」
ぷく、と頬を膨らませ悪態をつく番犬を睨みつける。
仏が仕掛けて来る情報が掴めたらしく、歩に呼び出された。
場所は元コスモスの城、修理工場の休憩室。
今はリオンの城だ。
出向いたまではいい、部屋に入って歩に幹部が数名、そして番犬を見て不快感に眉が寄る。
道理で輩たちがピリピリしていると思ったら、コイツが原因か。
ライバルチームのトップとありゃあ、警戒しない方がオカシイ。
俺が舌打ちをし、不快感を露わにすると、歩が苦笑いながらフォローする。
「ほら、秋が参戦してくれるって言ってくれたからよ、ハデスとケルベロスも連携取ろうとしてんだよ。……仲介役が必要だろ?」
「そう、そゆことだから、か、み、つ、くの、やめてね」
「ちっ」
歩と番犬はある程度打ち合わせで会っている所為か蟠りがあるようには見えねえが、輩たちは違う。
さすがに仕掛けて来るとは思ってはいないだろうが、今にも飛びつきそうな危うい殺気を漏らしている奴もいる。
俺はため息を付き、幹部たちに向かって口を開く。
「てめえら外出とけ」
「っ! でも秋さん、こいつ」
「害はねえ。ンな、ピリピリした殺気振りまいたままで話し合いも糞もあるか。……頭冷やして来い。ついでに外にいる輩達にも言っとけ、休戦してる相手に情けねえ態度取ってんじゃねえってな」
「…………分かりました」
頭のいい幹部たちだ(じゃなきゃ幹部になれねえ)、今の現状と俺の言葉に一理ある事を理解したのだろう。
四の五の言わず、殺気を押し殺し部屋を後にする。