散らないサクラ
Cherryblossoms...15
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最近考える事がある。
もし、あの日、母親が心中を試みなかったら。
もし、あの日、歩が喧嘩を吹っかけてこなかったら。
もし、あの日、コスモスを立ち上げなかったら。
――――もし、あの日、桜吹雪と共に佐倉弥生が俺を迎えにこなかったら。
ifの世界、たられば、そんな事を考えてもどうしようもない事も、俺らしくない事も、分かっている。
それでも考えてしまう。
あの日、あの時、あいつらと出会っていなければ、今の自分はここにいない。
そう思えば酷く恐怖心を掻き立てられ、息苦しさも覚える。
そして、今の現状に酷く安心するんだ。
ああ、そうだ。
ぼんやりと浮かんでくる記憶の点は1つとして省かれることなく線でつながっていた。
考えれば考えるほど珍妙にも思え、そして同時に暖かくなる。
最終的にたどり着くのは、俺は生きている、と言うこと。
単純で、愛おしい確証。