散らないサクラ


それが俺がしてきた事なんだって思いたくなかった。

だからこの赤色を消したい(消えない)。



「なあ、酷くね? 相方の俺にまでこの反応だぜ」



自称相方(実際そうだが)だと嘆く男、コスモスの副長、西条歩。

周りにいた輩たちがそれに苦笑する。



「総長は副長に甘えてるんですって」

「そうっすよ、秋さんは歩さんには心を許していると思いますよ」



ニヤニヤと笑いながらフォローしたり、必死に手振り身振りでフォローしたりする。

馬鹿が、誰がこんなアホに甘えるか。

と、罵声を浴びせたかったが漸く手に付着した赤色が薄くなり始めたことでどうでもよくなった。

ああ、赤が消えていく。



「あ、お前らも入学式じゃねえの?」



立ち直った歩が輩たちに話を振ると、きまってやつらはまた意地の悪い顔をする。




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