散らないサクラ
Cherryblossoms...06
Cherryblossoms...06
佐倉の家に居候して2カ月。
「は? 秋、なんだって……?」
佐倉が昨日、学校は夏休みに入ったって言ってたな、なんて事を思いながら俺は歩を含め、コスモスの仲間たちにある事を告げた。
その言葉に歩を限界近くまで瞳を広げた、いや周りの輩たちも同じような反応か、息を飲むか、いろいろあった。
そんなやつらを見渡しながら、俺はもう一度言葉を発する。
「俺はコスモスを抜ける」
キン、と張り詰めた空気の中響いた言葉。
今度こそ状況がつかめたのか、口々に輩たちが言葉を発する。
「ど、どういう事っすか! 総長!」
「急過ぎです! 俺たちはアンタや歩さんに憧れてコスモスに入ったんだ! そんな、抜けるなんて」
―――あの時、“コスモスを誇りに思う”と思った時、俺は一つの決心を決めた。
それはコスモスを抜ける、という事。
誇りに思っておいて抜けるなんて矛盾してるだろうが、俺にとっちゃそれはイコールで繋がる。