【企画】天空宮市へようこそ！

蒼穹の巫女

この天空宮市で科学が発展し始めたばかりの頃のお話。

当時の人々は、古来からの魔法を重んじる人々と、科学を持て囃す人々との真っ二つに分かれ、ちょっとした争いが起きたのだそうです。

少なからず死傷者も出て、無関係の人達の血までが流れたとか。

そんな事態を憂いだ、一人の少女。

当時の天空宮学園魔法科の生徒でありながら、彼女は科学にも理解を示し、いつかその科学の力が人々を幸せにすると信じて疑いませんでした。

その証明として、彼女は何と自らのその背中に、天馬（ペガサス）の翼を備えるという施術を受け入れたのです。

現在で言う移植手術。

当時そんな手術はまだ前代未聞。

きっと相当な恐怖があったに違いありません。

しかし科学と魔法は共存できる。

それを証明するという、たったそれだけの為に、彼女は己の体を捧げたのです。

天馬の翼を身につけ、争い絶えない人々の頭上から舞い降りた彼女の姿は、まるで戦を諌める天使のようだったといいます。

以来彼女は『蒼穹の巫女』と呼ばれ、今でも天空宮市街の噴水公園の銅像として、シンボルとなっています。

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