彼氏の条件
さえない僕と変な女
田中太郎
それが僕の名前だ。
さえない20歳、中堅大学の一年生。
自分がさえない奴だという認識は持っていた。
いつからだろう。
気づいた時には
ああ…
僕はさえない奴なんだ
とわかっていた。
足が速いわけでもなく、
勉強ができるわけでもない。
まして、ルックスがいいわけでもない。
よく言ったとしても『中の下』であることは確かだと思う。
毎日がさえないことの繰り返し。
大学に入って、大学デビューすることもなく、
ただただ、単調な毎日を過ごしていた。
中学から高校にかけて、目立たないようにということだけを気をつけていた。
理屈も常識も通用しない、
学校をわがもの顔で牛耳っていた同級生から目をつけられないように
ただただ
ただただ
目立たないようにしていた。
大学に入ってからも、同じようにするだけだ。
大学の入学式でたまたま隣の席に座った山瀬と友人になり山瀬が入ると言ったフットサルサークルに一緒に入ることにした。
山瀬は大学デビューを必死で頑張っているというようなカンジの19歳だ。
男性向けのファッション雑誌を一生懸命になって何冊も読破し、髪型や服装で『中の上』を装っている『中の下』といったところだ。
その努力のせいか、僕は一浪しているので、山瀬は一つ年下ではあるが、
見た目でいえば山瀬の方が大人っぽく見える。
そんな山瀬に金魚のフンのようについていき、サークルに入った。
別にフットサルをやりたかったわけではない。
週に一度、みんなで集まってフットサルをする。
ゆるいサークルだ。
誰も真剣にフットサルをやる奴はいない。
そういうぬるい環境に身を置きたかった。
そして、女子が少ないという点でも僕にとっては都合が良かった。
女が嫌い
というわけではない。
好きか嫌いかといえば
好きだ。
ただ、
苦手なだけだ。
さえない男とレッテルを貼られた僕には、
女子とラフに友人としてつきあうことも
恋愛感情を抱き、告白し、つきあうことも
できない。
いや、
できないことを知っている。
それが僕の名前だ。
さえない20歳、中堅大学の一年生。
自分がさえない奴だという認識は持っていた。
いつからだろう。
気づいた時には
ああ…
僕はさえない奴なんだ
とわかっていた。
足が速いわけでもなく、
勉強ができるわけでもない。
まして、ルックスがいいわけでもない。
よく言ったとしても『中の下』であることは確かだと思う。
毎日がさえないことの繰り返し。
大学に入って、大学デビューすることもなく、
ただただ、単調な毎日を過ごしていた。
中学から高校にかけて、目立たないようにということだけを気をつけていた。
理屈も常識も通用しない、
学校をわがもの顔で牛耳っていた同級生から目をつけられないように
ただただ
ただただ
目立たないようにしていた。
大学に入ってからも、同じようにするだけだ。
大学の入学式でたまたま隣の席に座った山瀬と友人になり山瀬が入ると言ったフットサルサークルに一緒に入ることにした。
山瀬は大学デビューを必死で頑張っているというようなカンジの19歳だ。
男性向けのファッション雑誌を一生懸命になって何冊も読破し、髪型や服装で『中の上』を装っている『中の下』といったところだ。
その努力のせいか、僕は一浪しているので、山瀬は一つ年下ではあるが、
見た目でいえば山瀬の方が大人っぽく見える。
そんな山瀬に金魚のフンのようについていき、サークルに入った。
別にフットサルをやりたかったわけではない。
週に一度、みんなで集まってフットサルをする。
ゆるいサークルだ。
誰も真剣にフットサルをやる奴はいない。
そういうぬるい環境に身を置きたかった。
そして、女子が少ないという点でも僕にとっては都合が良かった。
女が嫌い
というわけではない。
好きか嫌いかといえば
好きだ。
ただ、
苦手なだけだ。
さえない男とレッテルを貼られた僕には、
女子とラフに友人としてつきあうことも
恋愛感情を抱き、告白し、つきあうことも
できない。
いや、
できないことを知っている。