キミと出会えた事。

 『ん・・・・・・。』

 目の前は真っ暗だった。
 あ、優斗くん?
 なんでここにいるの?
 ねえ、アタシあなたに会いたかったの。
 やだ・・・行かないで。
 待って、優斗くん・・・・・・

 ―――――バッ。

 目を覚ますと優斗くんが
 目の前にいた。

 「優ちゃん大丈夫?
  ごめんね、俺のせいでこんな事になって。」

 え?なんで優斗くんがあやまるの?
 アタシが悪いのに。

 だけど恐怖とともになぜか
 声が出ない。
 
 声は小さかったけれども・・
 『ありがとう』

 としっかり言えた。
 やっと素直になれそうだよ。
 今、やっと・・・・・・・




 ――――――その時。

 ガチャ。


 
 「優、大丈夫?
   けど、優も悪いよ?」

 え?アタシが悪いの・・・・?
 裕菜がそんな事言うなんて。

 『アタシ何もしてないよ?』

 一瞬だったかわからないけど
 アタシをにらんだのがわかった。

 「優、あんた忘れてるだけだよ。
 あいつ、優の元彼だよ。」

 ・・・・・・・・″元彼″
 裕菜が口にした言葉。
 ″元彼″ ″モトカレ″ ″モトカレ″

 『裕菜、アタシなんも覚えてない。
 だから話さないで。何も聞きたくない。』

 その言葉に怒ったのか
  大声を張り上げた。

 「優斗っっ、優斗からも言ってよ。
  優が駄目な子になっちゃう。
  おねがいだから、ちゃんと伝えて。」

 と泣きながら部屋を出て行ってしまった。

 

  なんで泣くの?泣きたいのはアタシだよ?
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