キミと出会えた事。
  

  手を掴まれ、

 「ねえ?ちょっと遊ばない?
  じゃあ許すからさッ。」
 
 その仲間の人たちが
 どんどん近づいてくる。

 どうしよ、どうしよっ。
 怖いよ、涙腺が緩み
 どんどん目が潤っていく。

 「ね?楽しいから」

  
 「おい、その手離せよ。」

  え?男の人がそう言って
  手を掴んでる人をにらんだ。

  「ちぇ。男持ちかよ。」

  つまんねー。と言いながら
  立ち去って行った。

  『ありがとう・・ご、ざいます』

  とうとう泣いてしまった。

  

 ―――――ひっくっひっく。・・・・・

  なかなか涙は止まらなかった。

  けど、アタシが泣き終わるまで
  ずっと傍にいてくれた。
  何も言わずに横にいてくれた。

  そしてお礼を言って帰ろうと
  した時、名前くらい聞いておこう。
  と思い、聞いてみた。

  『あのッ・・名前聞いても
   いいです・・か・・・?』

  相手の人あはにっこりうなずき

  「池山優斗(いけやま ゆうと)
   えーっと竜川高校の。」
  
   とつけたし紹介してくれた。
   えっ?″優斗″?
   優斗くんなのかな?
   図々しいし聞かないほうがいいよね。

   そしてお礼を言って家に帰った。
   その途中何度も、
   ″池山優斗″が頭をよぎった。
   もしあの人なら、きっと
  アタシにはもったいないよ。
   

   ・・・・・・・・・・

   けど、一瞬だけでも
   このアタシが心を惹かれた。
   どうなんだろう・・・・・?
 

   気になってその夜はあまり眠れなかった。

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