キミと出会えた事。
 次の日の朝アタシは
 真っ先に裕菜に電話をした。

 裕菜は予定通り早く
 出てくれたため、
 急いで話を聞いてもらった。

 「え!?嘘っ!?
  もう出会っちゃったの?」

 ″出会っちゃった″?

 『どういう意味?』

 もう!といいながらも
 話をしてくれた。

 「″池山優斗″はあの優斗くん
  だよっ♪」

 ・・・・・
  自分でも何が起きたか
  分からなかった。
  優斗くんは気づいてたかも
  しれない。
  だからアタシが名前を
  聞いてもアタシの事は
 聞かなかったんだ・・・・・
 
  『そう・・なん、だ。』

  と少し残念そうにする自分がいた。
 まだ″彼女″でも″友達″でも
  きっとないのにね。

  ″″なんでアタシ
     気付けなかったんだろ″″

  また相手を気づ付けてしまったかも
  しれない。 

  あの笑顔は忘れる事がどうしてもできない。


  
  ―――どうして?

     アタシは最低な女だよ。



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