ユビサキからあなたへ
「やだなぁ。またウチぼーっとしてた?」

「おぅ、口開いてこんな顔でな。」

そう言いながら俺は志村けんの“バカ殿さま”みたいな顔をしてみせた。

「え〜っ!絶対そんな顔してないしっ!!」

「マジマジ。ひでぇ顔だったわ。」

「ひどいなぁ〜。あ、ウチやっぱちょっと酔っちゃったかも。」

「え?大丈夫?愛?」

保健委員の小林が心配そうな顔で中沼の顔をのぞきこむ。



「ちょっと先生のとこ連れてくわ。」

「え?愛ちんどしたの?大丈夫?」

カードをきるのに夢中だった千里も遅れて中沼の顔を見る。
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