ユビサキからあなたへ
結局7階に着いても自分の部屋に戻る気にはなれず、俺はエレベーターを出た扉の近くで洋介が戻ってくるのを待つことにした。











何分待っただろう。

俺には何十分にも感じられたその時間は、実際は10分ぐらいだったのかもしれない…



少し前に下の階へと降りていったエレベーターは、1階から5階の間をせわしなく往復し、7階にはなかなか上がって来なかった。



その間も俺は無言で洋介が戻ってくるのを待っていた。
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