ユビサキからあなたへ
「どうだった?」





俺の問いに満面の笑みを浮かべる洋介。

その笑顔からは幸せが滲み出ている。



「ほら!これ!」

そう言いながら洋介はおもむろに携帯を取り出した。


画面には『木下由里』の名前と、彼女の番号とアドレス。



「やったじゃん!洋介!」

俺は思わずハイタッチの手を差し出す。

「うん!ホント夢みてぇ!」

差し出した俺の手を洋介は思いっきり叩いた。

「バカ。強ぇよ。」

手のひらがジンジンする。

「いつものお返し♪」

洋介はそう言うと白い歯を見せた。
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