ユビサキからあなたへ
「そっか…。それならしょうがねぇな!」


また知らず知らず平静を装っている自分がいる。

最後まで俺は自分に素直になれないのか。


「…ごめん。」


謝るな。
もう謝るな。

これ以上恵の声を聞いていたくない。
電話を早く切りたい。


これ以上恵の声を聞いたら、余計に思い出してしまいそうだ。


「頑張れよ。池上のこと。じゃあな。」



「うん。洋介だったらきっとすぐイイ人見つかるよ。」


無神経な女。
< 28 / 232 >

この作品をシェア

pagetop