ユビサキからあなたへ
「洋介!」





はっと我に返る。


声のする方を振り向くと、教室の後ろのドアから友香が猛スピードで駆け寄ってきた。




「ねぇ!あんた、フラれたってほんと?」


女の情報網はすごい。
いつも思う。

たった3時間で6組まで広まったってことか。


「お前な、配慮って言葉知らねぇのか。もう少し…」


「そんなんどーでもいいよ!ほんとにめぐからフったの?」


「どーでもいい!?」

声が荒くなった。



一瞬クラス中の空気が凍りつく。

傍らで悠がため息をついた。
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