ユビサキからあなたへ
それでも俺は、またがむしゃらに練習を続けた。


ただ恵の残像を消し去るためだけに、それだけのために。






毎日夜遅くまで学校に残ったその甲斐あってか、俺は秋大会のレギュラーこそ逃したものの、ベンチ入りを果たした。

1年生の外野手では唯一のベンチ入りだ。


俺は心から喜んだが、結局試合に出ることはなかった。





俺の高校の野球部は初戦で敗れた。
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