ユビサキからあなたへ
「1組の栗原は?」



いきなりうしろから、誰かが俺の肩を掴んだ。


安藤だ。


「聞いたことねぇな。上坂、そいつかわいいのか?」

野木先輩が俺の顔を見る。




栗原茜は俺のクラスから選ばれた、1年のミス候補4人のうちの1人だ。

垢抜けない明るい性格で、クラスの男女どちらからも人気がある。


安藤は2組だけど、茜にすっかり惚れこんでいた。
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