ユビサキからあなたへ
「そうでもないっス。藤田の方がかわいいですよ。」


俺は安藤を軽くにらみながら答えた。

安藤はわざと視線を逸らして、なにくわぬ顔でユニフォームに着替えている。

その顔にまたムカついた。





安藤が、茜とそれなりに仲がいい俺を妬んでいるのは言われなくてもわかる。


ただ、今まで恵のことしか考えていなかった俺にとっては、茜も友達のうちの1人でしかなかった。

確かにかわいいとは思うけど、茜は恋愛対象になんかならない。
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