天使の条件
天使はよし、と頷くとコホンとわざとらしく咳払いした。



「そして、オレがここにきた理由は大きく分けて2つある」



「うんうん」


「1つは神様から下された試験をクリアするため」



「ん?うっうん」



ファンタジーだな。メルヘンだな。


そんな事を真顔で言っちゃう天使の真剣さに私はもう何も言えない。




「そしてもう1つが…」


「もう1つが?」



そうもったいつけるように一呼吸置いてから、天使は言った。



「立花を幸せにすることだ」




…………………はい?
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