天使の条件
まだ飛んでないはずなのに、体中に一瞬するどい痛みがはしった気がした。



心臓がバクバクと脈打つ。




まるで終焉の太鼓を打ち鳴らすように。



最期の時がくるまで全力で体中に血液を送る。





固まっていた左手を開いて、それを上からそっとおさえた。




私はまだこんなにも生きている


そして確かに死への恐怖を感じてる。



それは認めよう。だけれど…
私は死ななくちゃならないんだ。




勘違いな使命感を灯して、私は空を仰いだ。



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