キミの隣のイケメン君.
山崎杏はびっくりして顔を上げた。

「佐原!!」

「お前昨日といい今日といいいい度胸してるな?俺を呼び捨てとか」

俺が上から目線で威張った感じで言うと、山崎は慌てた様子で「ごめん!ごめん!」と謝った。

あははと作り笑いをして、その場から逃げようとしたので肩をつかんだ。

「逃げようとするなよ」

恐る恐るという感じに「な、何?」と聞いてきた。

なんでこいつのことを呼びとめたりしたんだろう?今までみたいに無視してればいいのに…こいつを見てるといじめたくなるのはなんでだろう?

「俺の応援に来たんじゃねーの?」

にやりとしながら山崎に言った。山崎はじっと俺の顔を見つめてきた。



一瞬、後ろに黒いオーラを感じた。

「山崎さん」

リツの声が後ろから聞こえてきた。そうだ、リツがいるんだった。

「リツ知り合いか?」

普通を装いながらリツに問いかけた。

「クラスメートだよ」

にっこりとこちらに笑顔を向ける。

そっか…クラスメートなら名前知ってて当然だよな?


グランドに目をやると、遠くで光樹がこちらに手を振っている。
そろそろ時間か…

「ふーん。あっそろそろ時間だから俺行くわ!」

その場に2人を残して、グランドに向かった。


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