キミの隣のイケメン君.

順調に卒業式が進んでいく

暇だな…眠い

「答辞、卒業生代表、佐原瞬」

「はい!」

俺の出番はこれだけ…

特に緊張することもなく、言葉を噛んでしまうこともなく、感動で泣くこともなく読み終えた。


式も終わって、最後のHR

先生のありがたい言葉も聞いて、クラスの皆で記念撮影


ヤベっ!そろそろ時間だ!

「じゃあみんな高校生になっても頑張れよ!」

「もう瞬帰るのか?これからみんなで集まろうとしてるのに」

クラスで一番仲が良かった奴に声を掛けられたけど

「午後からもうあっちに行くことになってるから」

「マジで!?」

「あぁ!じゃな」




向こうとは、俺が入学する高校のこと。

家を離れて高校の寮に入ることになっている。

早く帰って、荷物の準備しないとな!





廊下を走っている1階のげた箱に向かっていると

「瞬!」

急いでいる時に誰だよ?

渋々足を止めて呼ばれた方に振り向いた。

「リツ、どうした?」

リツは俺の初カノで中1の時半年間ほど付き合っていた。
彼女はサッカー部のマネージャーだった。

「瞬、卒業おめでとう。」

「リツもおめでとう。どこの高校行くんだ?」

「秘密。お父さんの仕事の関係で県外の高校に行くことになってるの。」

「そっか…俺も県外だ。」


リツが急にもじもじし始めた。

「あの…あたしまだ瞬のことが好きだよ。」

知ってる、リツの態度が付き合ってた頃に似てるから

「でも、付き合ってとかは言わないから…この気持ちだけを最後に言いたかった」

「そっか…」

「付き合ってる時、あたしのこと好きだった?」

可愛い顔を赤くして俺に聞いている。

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