キミの隣のイケメン君.
杏side


「きゃあぁぁあ!?」

今日入学式なのに!!


あたしの目覚まし時計は8時を指している。

家を8時に出ないといけないのに!!

「早く準備してよ!杏」

ドアの所には小学校から一緒の大親友の岸本乃々。あたしと違って美人さんで年上の彼氏がいる。

「ごめん!マッハで準備します!」

バタバタと新しい制服に袖を通す。

本当ならもっと楽しみながら着替えれるはずだったのに!!

「まぁ、一つ電車乗り遅れても間に合うからよかった」

そう言って乃々は1階に降りて行った。


ごめん!乃々さん!!





ばっちりとは言わないけど、メイクと髪のセットを済ませてリビングに降りた。

「杏!やっと起きたの?乃々ちゃんに謝っときなさいよ!」

「わかってる。」

母さんに叱られて、乃々と一緒に家を出た。


「時間ないから、走るよ!」

走るの!?乃々は陸部だったからいいけど…運動音痴なんですけど!!

「わかった!」

わがまま言ってられない!




駅までは約5分。

さすが乃々さま、息乱してないし汗かいてない…

一方あたしはというと…

「杏、しっかりしなさい!」

「う~」

汗ダラダラ…折角、セットした髪が!メイクが!

「後であたしが直してあげるから、早く行くわよ!」

乃々に手を引っ張られて改札口を通った。


これがあたしの高校初日になるんだ…

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