キミの隣のイケメン君.
梅雨が明けたって言うのに朝から大雨。

もちろん部活は中止。

午前中に杏は授業があるらしく俺は寮で過ごしていた。

「ジムに行くけど、瞬も行く?」

光樹に誘われて、午後まで時間をつぶした。





駅に着くと、杏と岸本が一緒にいた。

「あたし帰るね」

岸本と杏のやり取りを眺めた。

「瞬、今日はどこに行くの?」

どこって決めてないけど、いつも同じだったらつまらないよな

「水族館が近くにあるって聞いたけど。知ってる?」

杏に聞くと、笑顔で行こうかって言われた。

昨日の一瞬暗かったのはなんだろう…

心に突っかかるような…


一駅行ったところに水族館があった。

中に入ると目の前に大きな水槽があって、ゆっくりとたくさんの魚が泳いでいる。

「綺麗だね…」

「うん…」

水槽に張り付いている杏の後姿をみてると抱きしめてたくなる…

よく考えたら、杏を抱きしめたりキスとかしたことない

杏といると落ち着くから、楽だからってすっかり忘れてた…

「瞬はあたしが彼女でいいの?」

杏の声で我に返った。

『あたしが彼女でいいの?』だってなにか不安でもあるのか?

「杏がいいんだよ。ちょっと様子が変だぞ?奏に会ってから。」

そっと杏の顔を覗き込んだ。



今日は平日、ほとんど客なんていない…





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