HEART
サヨナラ
ふと気がつけば見覚えのある街に来ていた。人々がたくさん道を行き交う道の真ん中、大きな星が掲げられている。
綺麗だった。凄く。もうお正月だって過ぎたはずなのに凜と輝いてる星のイルミネーションは。
「…大丈夫?」
いきなり肩を叩かれ反射的に振り向くとそこにはあの星の様な綺麗な顔をした男の人が立っていた。
「大丈夫、ですけど何か」
深く帽子を被ったその人はとても怪しく見えたのであたしが思い切り睨むと男の人はクスクスと笑った。
「安心して。怪しい人じゃないから。… 何か君、消えそうだったから」
「…?あたしは別に消えませんけど。幽霊何かじゃ無いんで」
そう言って立ち去ろうとしたらその人があたしの腕を引っ張って今度は怪しげに微笑むと
「良かったら、話さない?」
と言った。