HEART
まさかあの先輩があたしを知ってるとは思いもしなかった結は不信そうにこっちを見てくる。
「ごめん。行かなきゃ」
それに答えるかの様に勢いよく立ち上がって先輩の元へと向かった。
「…ちょっと屋上、行かねぇ?」
「立ち入り禁止じゃ…」
「平気平気。とにかく着いてこい」
相変わらずいい加減な先輩だ。昔と何一つ変わらないのはその笑顔だけ…。例えるならあたし達は月と太陽。
決して交わる事の出来ない…2つの光。
先輩に引っ張られた手が痛いくらいにズキズキ痛んだ。抵抗する事も出来ずに連れられて屋上へ行った。