HEART
第2章 きみの笑顔

季節の中


「涙~…」

笑顔で走ってくる結をとっさに避けたら、勢い良く結は床にダイブした。

「いった―い!」

相変わらずドジな親友に、呆れながらも必死で笑いを堪える。他の生徒からは大笑いされてた。

「馬鹿じゃん。結は」

冷めた目であたしが呟くと結はムッとしてあたしを睨んできた…が、すぐに笑顔に変わった。

「あんま結虐めんなよな。涙…さん?」

そう。聖斗が居たからだ。あの永遠に終わらない様な冬が過ぎ、変わった事といえば。

聖斗と結が付き合ったこと。そしてあたし達は"幼なじみ"に戻ったこと。

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