HEART
………はぁぁ―
ベッドで寝ころびながら聖斗が深くため息をつく。
「マジヤバいんだけど」
「何が」
「お前…何で誰も好きになんないの?美少女のくせして…かなり告白されんのに」
一番痛い所を突かれたのか、言い訳を考える前に不思議と言葉が出た。
「美少女も、笑わないとつまんないし。もしあたしを笑わせてくれるなら付き合っても良いかな」
相変わらず、と聖斗はまたため息をつき上目遣いで視線を投げ掛けてくる。
…うざっ!!と睨みつけると聖斗は下を俯いた。
「…俺も、有り?」
一瞬、時が止まった気がした。ビックリして固まっていると、聖斗の顔が近くなってきてふいにキスをされた。
軽く、触れるだけの優しいキス。
頭の中にはモヤモヤとした微妙な気持ちと今までの聖斗と過ごした時が流れていた。
…あたしと居れば、きっと聖斗は不幸になる…この感情が何かもわかんないし…
「ご…ごめん」
やっとの思いで口に出せた言葉だった。まさか…まさかそれが余計に聖斗を傷つけたとは思わなかったから…。