HEART

パシャッ…パシャッ!

眩しいほどのライトが先輩に当てられる。ファインダーの向こうの先輩は、次々と表情を変える。

…凄いっ

圧倒的なその存在感に飲み込まれそうだった。ぼんやりと椅子に座っていたら、突然に肩を叩かれる。

「貴方、モデル?何処の事務所所属してるの?」

「あ、いえ。ただの水月先輩の幼なじみ…!?です」

あたしが答えるとさっき話しかけてきた女の人はカメラマンに何かを話している様だった。

すると先輩がやって来て、笑う。

「一緒撮ろうぜ。お前をウチの事務所に欲しいって。良かったな。夢が叶うよ」

何であたしの夢を知ってるの…?

というか撮影とか無理。だってあたし笑い方すら知らないし。ポーズだってやったこと無い。

「じゃあさっそくメイクと衣装」

呆気に取られていると楽屋みたいな所に連れて行かれ、メイクをされ…用意された衣装を着せられた。
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