HEART
自分が居る意味
「涙!これ…涙デビューすんの!?」
めっちゃビックリした顔で雑誌を指差しながら、言う聖斗。あたしも雑誌を見てみると昨日撮った写真が載ってた。
…いやいや、記事にすんの早すぎ。
「まぁ。水月先輩と同じ事務所に昨日スカウトされた」
そして急にポケットの電話が鳴った。聖斗と結衣に一応断って、教室の外に出て電話をかけ直す。
「もしもし。Pinky&Blueです。南条涙さんですか?」
「あ、はい」
Pinky&Blueはアイドルとしての『水月 光唄』所属している事務所だった筈。
何となく話の内容は予測出来たがあえて知らないフリをした。
「社長です。これからの事話すから今から事務所に来てちょうだい。事務所の場所は光唄に聞けば分かるわ。じゃあね」
用件を黙々と告げられ、電話は切れた。突然だなぁ。学校、早退しなきゃ…。