HEART
「いや…俺の方こそご、めん」
聖斗は下を俯きあたしと目を合わせようとしない。
泣いてる?と思ったけどそれはただの思い過ごしだった。
「変な顔…もう俺帰るわ。また、明日な」
ベッドから起き上がった時の聖斗の笑顔は何時もと何も変わらないはず。
ただ変わったのは聖斗のあたしを見る目だけ―…。
「うん。また、明日」
バタンとドアが閉められ、静かになった部屋で思い切りベッドに飛び込んだ。
ベッドにはさっきまで寝転がってた聖斗の香りがした。
「どうして、告白何かすんの」
何度も枕を叩く。ここには居ない君の代わりに…。本音を言ったら、聖斗が好きだから。
ずっと一緒だから幼なじみのままで居たかったのに、どうして?
「馬鹿、馬鹿……」
明日も聖斗は何時もと同じ笑顔で笑ってくれるだろうか。見捨てたりしないよね…。
モヤモヤとした感情を胸に抱えたまま、あたしは深い眠りに堕ちていった…。