HEART
綺麗な雪結晶があたしの心にも貼り付く。あたしの溶けかけていた心をまた凍てつかせてゆく。
「…ただ聖斗の一番近くに偶然あたしが居た、それだけだよ」
涙を拭きながら微笑んで頷く友達がとても羨ましく見えた。他の人は、笑えるのに。ちゃんと誰かを愛せるのに。
どうして神様はあたしにその感情を与えてくれなかったのだろう。
「協力、してくれる?友達だよね…?」
人の傷つく所を見たくない。その一心で君が繋いでくれた手をあたしは手放してしまった―…。
「う……ん」
あたしの恋が終わりを告げる音が聞こえて目の前が真っ暗になった気がした。