偽りの結婚



抱えている腕はがっしりとしており、頭をあずけている胸は服越しでも分かるくらい程よい筋肉がついている。




それらを知覚した瞬間、真っ赤になる。

湖から引き上げられた時はそれどころではなかったが、意識がはっきりしている今は恥ずかしくてたまらなかった。

そんな私を見てニコニコと嬉しそうに笑っているモニカ。





「お部屋は西の一番角の部屋などいかがでしょうか?あの部屋なら小さくて窓の多い部屋ですし、日の光が射して温かいと思いますが」

「そこにしよう」


モニカの提案を受け、ラルフはスタスタと西の部屋を目指して歩き出した。






西の部屋はラルフの寝室よりも小さく、こじんまりとした部屋だった。

扉を開くと正面は全てガラス張りの窓となっており、ちょうど夕日が射しこんでいた。

ラルフは中央にあるベッドに私を横たわらせ、布団をかぶせる。



< 131 / 561 >

この作品をシェア

pagetop