偽りの結婚

胸の痛み




目を開けると、窓の外はまだ薄暗かった。




まだ夜中なのかしら…


風邪の為、短い周期で寝たり起きたりしていると時間の間隔がなくなってしまう。

薄暗い外を見ながら、もぞもぞと体を動かす。






「シェイリーン様、お目覚めになりましたか?」


背後から声をかけられ体を反転させると、そこにはモニカが立っていた。

ちょうど、食事を運んできたところのようだ。




「モニカ…おはよう……で良いのかしら?」


現在の時刻が分からず、疑問を口にする。





「はい、シェイリーン様。今は朝でございますよ。今日は朝からこんな天気ですの」


モニカは私の意図を察し、外を見つめながら残念そうにしている。

外は今にも雨が降り出しそうな曇り空だった。




「昨日はよく眠られていらっしゃいましたね。食事と薬にはお気づきになられましたか?」


なぜだか目をキラキラとさせながら期待の眼差しを向けてくるモニカ。



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