偽りの結婚
しかし次の瞬間マリナは思い出したように声を上げた―――
「あっ!!でも一組だけいたわ、誰もが理想とする完璧カップルが!」
「え?」
嫌な…予感がする……
「ラルフ王子とソフィア姫よ」
「っ…!」
やっぱり……
私にとって今一番聞きたくない二人の名前だった。
さっきまで弾んでいた気分が一気に急降下していくのが分かる。
「えっと、でもラルフ王子はもう結婚なさってるんじゃ…」
「そうみたいね。けど、ラルフ王子の本命はソフィア姫って噂よ」
ズキッ――――――
マリナから告げられた言葉は、私の胸を深く抉った。