偽りの結婚



「ラルフ王子がお妃様に別れを切り出すのも秒読みだって!ご側室にという噂もあるようだけど、ソフィア姫を側室にはしないだろうって言ってたわ。…ってこれはその令嬢たちの噂でしかないんだけれどね」




“別れ”

“離婚”




ズキン、ズキン――


その間にも胸は締め付けられるような痛みに耐えていた。





ラルフとソフィア様が寄り添い合う光景に胸が締め付けられるのは?


ラルフを想うと甘く疼くこの気持ちは?


今まで頭の隅の方へ押しやって、気づかないふりをしていた。


けれどもう、隠しようもないこの気持ち。


今はっきりと自覚する……






私はラルフが好き……――――


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