偽りの結婚
懐かしい友人たち
サロンに行った日から数日が経った―――
「はぁ………」
本日何度目の溜息だろう。
庭に出て美しい花々を見ながらのアフタヌーンティーを口にしても全く気が晴れない。
傍で見守るモニカはじめ侍女たちも皆オロオロとしている。
この数日、ラルフから何度逃げただろうか。
あの日はラルフがおらず顔を合わせる事はなかったが、二人は同じ寝室ですごす夫婦だ。
そんな日は何日も続かない……
次の日にラルフと顔を合わせた時の私の態度。
他の人から見ても絶対におかしかったわ……
平常心を保とうと必死だったが、それでも顔に出てしまったのが自分でも分かった。
『サロンはどうだったかい?』というラルフの問いかけに、目も合わさず曇った表情で答える私。
気晴らしに行ったはずのサロンから帰ってきて、沈んだ表情で答える私にラルフもどこかおかしいと感じたはずだ。