偽りの結婚

孤独に震える夜





ラルフたちを見送った後、怖いくらいに静かな寝室に戻り、ベッドに一人ポツンと座る。

もはや住み慣れてしまった寝室で、心を落ち着かせる。

時計を見上げると時刻はまだ午後6時を指していた。



本でも読もうかしら…

寝るにはまだ早かったため、サイドテーブルに積み上げていた読みかけの本をとる。





しかし3時間後―――

あっという間に書庫から借りてきた本の全てを読み終わってしまった。



……どうしよう、全く眠くならないわ。


時刻は午後9時を指しているというのに、難しい本ばかりを読んでいたせいか、逆に目が覚めてしまった。

お陰で気持ちを落ち着かせるのには成功したけれど。




「しょうがない、本を借りに行きましょう」


ベッドの上に散らばっていた本を集めて寝室を出た。


< 325 / 561 >

この作品をシェア

pagetop