偽りの結婚
2章 舞踏会

王宮




世界が違う……――――


舞踏会の会場に立ったその時、そう思った。



城の門をくぐってからこの会場に来るまで何度驚きの声を上げたことか。

端から見れば落ち着きのない田舎者の反応だったに違いない。

けれど、世界の狭かった私にとってはまるで別世界で、驚きの連続だった。


城の外観から、内部の装飾品に至るまで一つ一つが華やかで、どれも一流品だということが素人目でも分かる。

特に、舞踏会の会場は煌びやかで、天井を見上げると見事なシャンデリアが光り輝いていた。

まさに豪華絢爛といったところだ。






「煌びやか過ぎて目がまわりそうだわ…」


見渡すもの全てが輝いているので、気持ちが落ち着かない。

スターン家にはない光景ばかりだ。


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