偽りの結婚
「シェイリーン何を突っ立っているの。早く来なさい」
「本当にのろまね。今日はくれぐれも振る舞いに気をつけて頂戴。スターン家の恥になるようなことはしないでよ」
立ち止まって王宮の絢爛さに圧倒されていたところ、ミランダとイリアから注意を受ける。
イリアは王子に見染めてもらいたいが為に、ありとあらゆる宝石をつけドレスを着飾っていた。
こちらもまたある意味煌びやかだった。
しかし………
舞踏会に来ている国中の女性も、華やかなドレスを着飾り、気合いの入れようがうかがえる。
「すぐに行きます」
王宮に目を奪われていた私は慌てて二人を追いかけ席に座る。