偽りの結婚
7章 それぞれの愛のカタチ
涙の別れ
ふっと次に覚醒した時はすでに朝だった。
目を開けるのも億劫で、閉じたままだったが、そう感じた。
それは、開けっ放しだったカーテンのおかげで、部屋にサンサンと朝日が差し込んでいるのを感じたからで…
窓の向こう側のテラスには小鳥たちが集まり、囀りながらじゃれ合っているのが聞こえた。
―――モゾ……
「ん……」
体が重い……
自分の体を包むように正面から抱き込んでいる温かいもの。
その気持ち良さに擦り寄ると、自然と抱き込む力を強めてくれる。
今や腰に回された腕の重みにも慣れてきた。
髪を梳かれる手に引かれる様に、ゆっくりと目を開けると、鍛えられた胸板が目に入ってくる。
これにはまだ慣れていない。
頬を赤く染め、見上げると―――
「おはようシェイリーン」